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ランドセル
私は、小児病棟に勤務して3年。
子どもたちは元気で、本当に病気なの?!って思うぐらい。
でも、大人でも辛い治療を我慢して受けているのです。
そんな中で出会った、一人の少年J君。
彼は、1歳で白血病を発症。
5年近く病棟で入院しています。
抗ガン治療と放射能治療をしながら、骨髄移植の適合するドナーを待っています。
本来ならば、今年で小学一年生。
ランドセルを背負って、みんなと一緒に登校し勉強する年齢です。
しかし、彼はわがままを一つも言わず、一生懸命治療を受けていました。
あれは、去年の冬。
6歳の誕生日の日、J君のおばあちゃんは大きな箱を持ってきました。
J君は嬉しそうに箱を受け取り、ビリビリと包装を破って開けました。
すると中にはピカピカの真新しいランドセルが。
J君の体にはちょっと大きめな青色のランドセル。
お母さんに手伝ってもらいながら、背負うと嬉しそうにベッドの上で飛び跳ねるJ君。
周りの子たちが「いいなぁ~」と言うと嬉しそうにニコッと笑い「僕のだよ!」と見せていました。
J君はそのまま他の友達がいる病室へ走って行きました。
お母さんもおばあちゃんも微笑んでJ君を見守っていました。
おばあちゃんの目には涙も。
すると、こう話して下さったのです。
「Jのランドセル姿が見れるとは思わなかったわ。
私も老い先短いし、Jの病気もいつ悪くなるか分からない。
こんなJの姿が見れたのは本当に奇跡だわ。」
奇跡・・・私はその言葉を聞いてハッとしました。
私たちは仕事として接していますが、家族の人にとっては毎日が戦いなのだと。
いつ容態が悪くなるか分からない状態で、この日を迎えられたのは本当に奇跡なんだなと感じました。
今年はJ君以外にも小学一年生になる子どもは3人います。
学校へは行けないけどいつか行けると信じ、辛い治療をしている子たちの為にも、私たち看護師が出来る事を最大限にしないといけない事を改めて痛感しました。
その為にも、早くドナー現れる事を祈るばかりです。
